大分トリニータ 新カラーは着実に 下平監督がチームに与えた変革とは 【大分県】

2023/01/31
  • 大分トリニータ

 前線と中盤の選手が入れ替わった2本目は、前線から相手のボール保持者を追い込む守備がハマり、1年目のルーキー保田堅心、佐藤丈晟が躍動する。保田はボールを奪うと、そのままゴール前まで上がり決定機を演出する。佐藤も臆することなく、ボールを持てば仕掛け、セットプレーではキッカーとなり精度の高いボールを蹴り込んだ。ルーキーの活躍に刺激された藤本一輝は「負けてなるものか」と2得点し、新加入の安藤智哉はセットプレーから得意のヘディングでゴールし猛アピール。下平監督は「(保田と佐藤の)2人の成長の勢いはすごかったが、選手みんなが輝いて見えた。自分たちで考えてプレーし、それぞれの特徴を出してくれた。(選手選考が)難しくなるのはうれしい収穫」と喜んだ。

 

 危惧されていた最終ラインも、高さのある安藤やデルランの新戦力が安定したパフォーマンスを披露し、けがから復帰した刀根亮輔は、ゴール前の体を張った闘志あふれるプレーで得点を許さなかった。下平監督は「キャンプで一つの形が見えてきた」と満足の様子。攻守両面で今季のカラーが打ち出されたサッカーは、残された時間の中でより完成度を高めていくことになるが、すべては一体感なくして成り立たない。そのために指揮官は、今季のキーワードを「共創」とした。選手へのアプローチは、自分から答えを言わず、選手にしゃべらせ、考えさせるようにしている。「ピッチで起こる変化に、選手主導で対応できるチーム作り」は順調に進んでいる。

 

磐田戦で2得点した藤本一輝

 

 

(柚野真也)

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