3年生、夏物語2022 vol.7 バレーボール女子 岐路に立つ東九州龍谷、問われる3年力

2022/08/30
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 1年生の頃から試合に出ていた加藤明(3年)であっても、ブロックを強化したいときにピンチブロッカーとしてワンポイントで交代する控えだった。「1、2年生の頃は与えられた役割を果たすだけで精一杯だった。目標は日本一だったが、ようやく、そこにたどり着くまでの厳しさや難しさが分かるようになった」と明かす。これまで無縁だったプレッシャーを感じるようになった。

 

 国体九州ブロック大会は、グループ戦の宮崎戦と代表決定戦の福岡戦でいずれも1セットを先制し、2セット目も先にセットポイントに届きそうになりながら、「勝ち急ぐ」悪癖が出た。相原監督が「勝ち切るところで仕留められなかった」と悔やむように、泣き崩れた選手も同じ思いだ。「誰がリーダーシップを取り、強い気持ちを示すのか。それはチームの中心となる3年生次第」と相原監督。

 3年生にとって高校日本一になるチャンスは春の高校バレーの1回のみとなった。負けた後の東龍は強い。2006年の九州ブロック敗退の翌年に春の高校バレーと国体で準優勝、その2年後の2009年には高校3冠を達成して黄金期をつくった。不死鳥のごとく復活するのか、盛者必衰の道をたどるのか。3年生は岐路に立っている。

 

「これまで以上にプレッシャーを感じる」と話す加藤明

 

 

(柚野真也)

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