オオイタのオリンピアン① 中村哲明(メキシコオリンピック・ボクシング)

2020/04/28
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 明治大学進学の際、卒業後は指導者になり、地元に帰ってから後進の指導にあたることを決めていた中村さん。次のミュンヘンオリンピックへの期待も高まったが、現役生活に未練はなくグローブを置いた。「大分から世界チャンピオンを生み出したい」と新たな目標を定め、これまで高校の部活動で指導した。「練習してきたことが実現するのがボクシング。ただ、世界で戦うためには努力以外の勝負勘やセンスが必要なのもボクシング」。これまで全国高校総体で8人の日本チャンピオンを輩出したが、世界には届いていない。

 

 教員を退職した時に教え子からジムトレーナーの依頼があり、二つ返事で引き受けた。今年72歳となるが、「世界チャンピオンを育てるまで辞められない」とミットを持って選手と対峙する日々。「選手を追い込むのも体力がいる」とダンベルを持って体力維持のための自身のトレーニングを毎日続ける。最近は小・中学生を対象に育成年代の育成に力を入れるようになった。「技術が高度になった現代ボクシングは、サッカーや卓球と同じように小さい頃から競技を始めた方が世界に近くなる」と指導にも力が入る。ボクシング熱は衰えるどころか、燃え上がるばかりだ。

 

72歳となった今も指導に力が入る

 

 

(柚野真也)

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