グッドルーザー④ ラグビー大分舞鶴 王者陥落の涙は新たな歴史のはじまり

2019/11/18
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 しかし、後半10分に逆転トライを許すと、気持ちが先走りミスが多くなった。「自分たちが我慢できなかった。勢いに飲まれてしまった」(竹部力・3年)。必死のアタックを続けるも、10分、15分…無情に時間が過ぎていく。王者に諦めの姿勢は一片たりとも見受けられなかったが、大分東明の圧力は強く、ゴールにあと一歩、届かなかった。ノーサイドの瞬間、大分東明が初優勝の喜びを爆発せる中、天を仰ぎ、地に伏した舞鶴フィフティーンの姿は今も目に焼き付いている。勝者と敗者のコントラストが色濃く残った試合だった。

 

 試合後、堀尾大輔監督は「よくやった。最後まで逆転トライを信じることができた。支えてくれた方に毅然とした態度で感謝を伝えよう」と選手をたたえた。山田は「今日まで悔いのない練習をしてきた。その部分ではやり遂げたという思いが強い。監督、仲間、見守ってくれた保護者など支えてくれた全ての方に感謝したい」と話し、前半見事なトライを決めたゲームキャプテンの竹部は「自分たちのやってきたことは全て出した。悔いはない。東明が強かった」と涙にぬれた瞳を伏せることなく語った。それは負けてもなお王者の貫禄を感じさせるものだった。

 伝統校の誇りと夢は後輩に託され、また新たな歴史を刻んでいく。

 

最後まで勝利を信じたが、かなわなかった

 

(甲斐理恵)

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