それぞれの選択 カヌー・柚野秀斗(鹿屋体育大4年)

2019/09/15
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 ペアやフォアを組むことはあるがカヌーは基本的に個人競技だ。自分の実力が結果に直結する。「自分がやってきたことが成果となる。毎日成長できることが実感できるのがカヌーの魅力」と語る柚野は、小学生の頃から続けたバスケットボールをやめ、大分舞鶴高校入学を機にカヌーを始めた。当時指導していた高木宏通監督(現・高田高校カヌー部監督)は、「初めて艇に乗った時から日本一になると思った。器用だったが何より心肺機能が高かった」と語る。無尽蔵のスタミナを武器に積み重ねた練習で技術を磨き、高校時代は全国大会で日本一を経験した。

 

 大学進学後も成長を続け、国際大会に出場するまでになった。そんな柚野が今も忘れられない光景がある。昨年のインカレで自分を応援してくれる先輩や後輩がいた。その中にメンバーから外れた選手もいたが、客席から声を張り上げて応援してくれた。「個人種目でも一体感のあるチームは強い」。そう思えた時からカヌーが団体競技と思えるようになった。最後の大会では同級生や後輩が力を発揮できるように全力でサポートした。もちろん自分自身も結果を出し、「努力は身を結ぶ」ことを示したかった。「結果は微妙だったけどやれることはやった。昨年の方が楽しかったけど、今年の方が充実感はあるし、心に残った」。燃え尽きた火はともることはないが、いつの日か指導者として「カヌーで学んだことを伝えたい」との思いはある。

 

最後の大会ではカナディアンフォアで優勝した

 

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