明豊高校 不屈の精神と貪欲な姿勢で2年ぶりの聖地へ加速

2017/07/05
  • 高校野球

 昨年秋からの4大会で3回優勝し、堂々の第1シードを獲得した明豊高校。新チームが始動した昨夏から現在まで、公式戦ではわずか1敗のみという強さを誇る聖地への大本命だ。

 

 1年時からレギュラーだった主砲・杉園を中心とする活発な打線に、エース・橋詰を軸に展開する多彩な投手陣が揃う。しかし実績の羅列だけでは分からない、このチームならではの苦悩があったと川崎監督は話す。旧チームからのレギュラー陣を多く残していた昨年に対し、今年は昨年からの試合経験を持つ選手はわずか2人。大幅にメンバーが入れ替わり、正真正銘の“新チーム”が発足したばかりのころは、練習試合も含め思うように勝てない試合が多くあった。

 

 それでも試練を全員で乗り越えたという自信は確固たるチームワークとなり、悔しさからあふれ出た涙は、メンバーに「粘り強さ」という不撓(ふとう)不屈の精神力をもたらしている。

 

 「夏に向けた課題は、10ある自分たちの力をどれだけ公式戦で出せるか。甲子園に出たい、負けられないという気持ちはあって当然だが、3年生がまずそのプレッシャーに打ち勝たなくてはならない。その問題を克服するためには、当たり前のことを当たり前に。それしか方法はない」(川崎監督)。

 

 1日でも長くこのチームで野球がしたい。輝かしい実績の裏で数え切れない努力を重ねてきた私学の底力が試される。

 

3年間共に歩み、戦ってきた選手たちの絆は強い 

 

戦力分析

 

攻撃力7

上位から下位まで打線に切れ目がなく、どこからでも点を取りにいける。選手それぞれに異なる持ち味があり、選手層も厚い。

守備力5

守備へのこだわりを持ち続ける明豊。しかし、春先からエラーが増え、守備力に不安を残す。守備力の強化が勝利への鍵。

機動力6

高い身体能力や脚力を誇る選手が積極的に走力で仕掛ける。足の速い選手がランナーに出た際の機動力に期待。

選手層7

バッター、ピッチャーともに選手層が厚く、それぞれ異なるタイプの選手が揃う。

投手力6

右横手のエース橋詰を中心に、投手陣の総合力で勝負。

 

2年ぶりの夏へ勝負をかけるチームに慢心はない

 

(塩月菜央)

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