漂う大物感、大分商業のエースに注目 夏の甲子園予選2019

2019/07/11
  • 高校野球

 「川瀬の弟」という枕詞は今大会の活躍で消えるだろう。彼の名は川瀬堅斗、大商のエースを担う逸材だ。まだまだ原石であり、磨き方次第で爆発的な成長を予感させる。投手を育てるには、成功体験を重ねて自信を持たせるのが一番だが、川瀬にはその必要がない。「自分の力でチームを甲子園に連れて行きたい。自分がやってやるという気持ちが強い」と文字にすると高飛車に聞こえてしまうが、この言葉を屈託のない笑顔でさらりと言うところに一流の雰囲気が漂う。

 

 これまで多くのプロ野球選手を輩出した渡辺監督は、「アイツはイケイケなところがあるが、それをうまくコントロールして良いところを伸ばしたい」と、やんちゃな部分も成長を加速させるスパイスであることは承知だ。「今大会で150㌔を出す」と豪語するエースを、どのようにして大エースに仕上げるか楽しみだ。昨年も無名だった甲斐翔斗(3年)を4番に抜擢した名将である。クセの強い個性派集団を勝利へと導き、それぞれの個の力を磨く。

 

個性派集団をまとめる渡辺正雄監督

 

(柚野真也)

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