大分工業高校 目指すスタイルが形になる日は近い

2017/06/22
  • 高校総体

 26年ぶりに県総体サッカー決勝に進出した大分工業。敗れはしたが確かな手応えを得た大会となった。運動量があり、屈強な2トップ松浦統弥と矢野達也が前線からボールを追い、中盤と最終ラインは高い位置へと押し上げ、スペースを埋める。攻撃においては中盤の底に位置する安部泰平が長短のパスを駆使して相手の守備網を崩す。

 

 3回戦までは順当に勝ち上がり、準決勝では同じようなスタイルを構築する大分西と延長戦でも決着がつかず、PK戦を制し勝負強さを発揮した。

 決勝戦の序盤は緊張からか動きに精彩がなかった。サイドの選手2人とボランチ、FWの四角形のパス交換で相手の守備網を崩す得意の形でチャンスを作るも単発に終わる。友成義朗監督は「相手が前からプレッシャーを掛けてくるので慌ててしまった。ボールがテンポ良く回らずリズムができなかった」と悔やんだ。

 

 本来の力を発揮できるようになったのは先制点を奪われてからだった。しっかりボールを動かし、試合を組み立て主導権を握った。唯一機能しなかったのが前線からの守備だった。相手が長いボールを蹴り、身体能力の高いFWがスペースを常に狙ってくる。そのため全体が下がり気味の守備となりゴールまでの距離が遠くなった。「相手の中盤が3枚だったので数的不利となった。セカンドボールを拾えず、仕掛けの部分が足りなかった」(友成監督)

 

 3連戦で体力を消耗したのも敗因だった。我慢比べで負け、後半は失速した。課題が明確になったことで、秋の選手権予選に向けてモチベーションを高く保ち、ひと夏を越すことになるだろう。「私のなかでサッカーは点を取るゲーム。本来ならGKとは言わないまでも、CBからCFへ1本のパスでゴールできればいい。でもそれができないから、サイドを崩したり、ショートパスをつなぐ。一番大切なのはゲームを読み、ベストな選択をする力だ」。

 指揮官の目指すスタイルを選手が体現する日は近い。

 

 

■注目選手■

背番号11 松浦統弥(3年) FW

守備のスイッチャーとなり前線から果敢にプレスをかけ、ボールを奪えば一気にゴールに突き進む。同じタイプの矢野達也(2年)と並ぶ2トップは大工の武器となっている。

 

背番号5 花宮大聖(3年) SB

気持ちが強く、核弾頭としてチームに勢いをもたらすことのできる選手。運動量が多く、上下動を繰り返すことでサイドで数的有利を作り出す。攻守の汗かい役としてチームへの貢献度は高い。

 

(柚野真也)

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