大分舞鶴高校 九州屈指の強豪校に成長した今、目指すは全国制覇

2017/07/12
  • 高校総体

 

 10年連続21回目の県総体優勝。団体戦の優勝だけにとどまらずシングルスもダブルスも大分舞鶴の選手が独占し、もはや県内では敵なしだ。6月にあった全九州高校体育大会でも団体戦で常勝軍団・柳川(福岡)を破り優勝した。個人戦では2年生が躍動。シングルスでは河内健が優勝、田口涼太郎が準優勝し、ダブルスでは田口・井上隆也ペアが3位となった。今や九州屈指の強豪校へと成長した。

 

 全国制覇は夢ではなく、現実的な目標だ。2年生が主力となるチームをまとめるキャプテンの大野文也(3年)は「全国の強豪校と対戦しても名前負けすることはなくなった。先輩が優勝を積み重ね、九州、全国でも勝てることを証明してくれたおかげ」と話す。インターハイの団体戦ではダブルスに出場し、上背を生かしたサーブから、粘り強く守り、チームに安定感を与える役割を担う。「舞鶴の歴史を塗り替えるために過去最高のベスト4以上を目指す」と自信を示した。

 

キャプテンの大野(3年) 

 

 エースの田口は、今春の全国選抜大会でシングルス3位となった実力者だ。攻撃的なストロークとミスの少ないプレーで、県総体ではシングルス、ダブルスでも優勝し3冠を達成した。中学時代は河内、井上に勝ったことがなく、「2人に勝ちたくて舞鶴に来た」と長崎から越境入学し、技術を磨いた。目指すは「全国3冠」と志が高い。

 

県総体で3冠を達成した田口(2年)

 

 怪我で長期離脱していた井上はブランクがあり、体力に不安を残すが、全国の舞台で大暴れしそうな雰囲気がある。「1年間思うようにプレーできず悔しい思いをした。その思いをぶつけたい」と活躍を誓う。攻撃的スタイルを信条とし、「フォアハンドで回り込んで上から叩きたい」と強気の姿勢でチームに勢いをもたらす覚悟だ。

 

超攻撃的スタイルが持ち味の井上(2年) 

 

 ストロークを得意とし、長いラリーでもミスの少ない河内は、「計算ができ、頼りになる選手」と大園洋平監督の信頼が厚い。高校に入り、「勝つためにスタイルを変えた」とストロークで翻弄(ほんろう)し、ボレーで前に詰めるプレーを覚えた。「チーム内でハイレベルな競争ができている。団体戦では自分がポイントを取り、勝利に貢献したい」と、個人戦シングルスより団体戦での勝利を第一に考えている。

 

 安定感抜群の河内(2年)

 

 河内だけでなく、前出の3選手も「団体戦での勝利」に重きを置く。「テニスは個人競技だが、個人戦の勝利より団体戦の勝利の方が盛り上がる。選手はチームのためにという思いが強い」と大園監督。これは毎年メンバーが変わろうとも変わらない、大分舞鶴テニス部の哲学のようなもの。選手たちには輝かしい実績をつかんできた先輩たちへの憧れとともに、「自分たちもその一員になりたい」という強い決意がある。大分舞鶴の伝統校としての底力がインターハイでどのように発揮されるかが楽しみだ。

 

(柚野真也)

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