日本文理大附属高校 武藤翔吾 過去の自分を超え、新たなる境地へ

2017/09/14
  • 国体

 不完全燃焼の幕切れに武藤は唇を噛み、「自分のレスリングができず悔しい」と無念の表情を浮かべた。気持ちを新たにリベンジを誓ったが国体の舞台で宿敵との対戦はかなわない。少年男子フリー120㎏級に出場する武藤に対し、仲里が出場する種目は少年男子グレコ120㎏級。「絶対に勝たないと」。短い言葉に、武藤の決意が光る。

 

 インターハイで浮き彫りになった課題は精神面の弱さ。「レスリングは選手の人間性を浮き彫りにする」と勝龍三郎監督が語るほど、この競技とメンタルのつながりは深い。弱気にならない、消極的にならない、最後まで諦めない。勝利への執着と競技への貪欲な姿勢は、武藤にとって常に向き合うべき課題であった。自己能力を最大限に開花させるためには、心が技術に追いつかなければならない。勝負の世界では最後まで何が起こるか分からない。しかし、舞台に立つその日まで備え、己の能力を高めることはできる。誰にだって時間は平等なのだから。自分の殻を打ち破り、さらなるステージアップを誓う武藤の戦いがもうすぐ幕を開ける。

 

選手主体という活動方針の下、この1年間は上級生としても部を支えてきた

 

(塩月菜央)

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