別府翔青高校 上野優斗・優佳 激闘の末につかんだ逆転の兄妹V 共にさらなる高みへ

2017/09/04
  • 国体

 兄・優斗は、激しい攻防の中で相手のマスクが腹部を直撃するというアクシデントに見舞われてしまう。劣勢に追い打ちをかけるまさかの事態。試合は一時中断し、敗戦の2文字がエースの頭をよぎる。しかし1・2年時に出場したインターハイで、あと一歩でメダルを手にすることができなかった悔しさを今年こそ晴らしたい。その一心で自分自身を奮い立たせた。「正直、試合後半の記憶はあまり残ってなくて。気持ちだけで相手に向かっていったというか…」。優斗の興奮冷めやらぬ言葉に、熱戦の様子が浮かぶ。共に激闘の末に勝ち取った勝利。勝因は、最後まで諦めない気持ちだった。苦しい場面で勝利への執念を維持できるのは、長い間培ってきた技術あってのことだろう。

 

 絶対的エースと呼ばれる兄の背中を追い、この春入学した優佳。別府翔青には大分の高校フェンシング界をリードする3年生トリオがいた。「身近な環境にレベルの高い先輩選手がいて、その中で自分がフェンシングを学ぶということは、日々大きな刺激になっている。これからは今以上にスピードや技術力を強化し、日本と言わず、世界の選手をお手本にして競技に取り組んでいきたい。国体でもいい結果を出せるよう頑張りたい」。上野兄妹の快進撃を、国体の舞台でも楽しみにしておこう。

 

1年生ながら大きな志を持ち、競技に取り組む上野優佳

 

フェンシングとの出会いは競技者だった両親の影響。物心ついた頃から2人の競技人生はスタートした

 

(塩月菜央)

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