3年生、冬物語 vol.1 不遇の時代を過ごした3年生が礎を築く(別府溝部学園高校)

2019/01/07
  • 冬の全国大会

 そして、強化3年目の今年度は中国出身の身長2㍍の陳凌霄(チャンリンショー、2年)に続き、ウガンダ出身の2㍍7㌢のザリメンヤ・カトウ・フセイン(1年)の留学生ビッグマンをインサイドに据え、攻撃の破壊力は増した。さらに、チームに規律を植え付けるために姫島で野営キャンプを実施するなど選手の結束力を高めた。全国強豪校と練習試合を数多く組み、「全国で勝てるチーム」を目指した。6月の県高校総体ではベスト4入りし、「ようやく優勝を目指せる位置に来た」(真栄田)と手応えをつんだ。強化1期生となる現3年生にとって最後の大会となるウインターカップで見事に県代表の座を勝ち取り、全国行きの切符を手にした。

 

 「全ては末宗コーチが来てから変わった。優勝は狙っていたけど、まさか自分たちの代で全国大会に行けるとは思っていなかった」と鳥生は話し、島袋は「最高のチームで最高のバスケができた」、真栄田は「優勝なんて絶対無理だと言われていたが全国まで来ることができた。コーチを信じ、自分たちを信じた結果だと思う。最高の3年間だった」と振り返る。不遇の時代を過ごした3年生で、夢を諦めず、自分たちを信じたのは3人しか残らなかったが、別府溝部学園の礎を築いたのは間違いなく3年生の3人だ。末宗コーチは「もっと全国で勝つ喜びを味わせたかったが、よくここまで頑張ってくれた。3年生のバスケに対する思いは1、2年生に十分引き継がれた」と感謝の言葉を並べた。

 

 別府溝部学園が強豪校と呼ばれるようになるには、これから全国大会への出場回数を増やす必要がある。島袋は「全国で優勝争いができるチームになってほしい」と後輩に思いを託す。数年後に歴史を振り返ったときに、「あの時の3人がいたから今がある」と語り継がれる日がくるかもしれない。3人は今後も異なる道で競技を続ける。

 

3年生の集大成となった全国の舞台

 

(柚野真也)

  • LINEで送る

関連記事

ページトップへ