全国高校ラグビー大会県予選決勝 逆転許すも底力を発揮し、大分舞鶴が33連覇達成

2018/11/14
  • 冬の全国大会

 第98回全国高校ラグビー大会県予選の決勝が11日、大分市営陸上競技場であった。大分舞鶴が大分東明を19-14で破り、33年連続57回目の優勝を決めた。

 3年連続同カードとなった決勝は、大分舞鶴が前半20分にラックから先制。27分にもトライを追加した。前半終了間際に1トライを許し、流れが変わった後半は防戦一方となり15分に逆転されたが、その後は得意の密集戦に持ち込み、後半23分にモールからトライを奪い逆転し、そのまま逃げ切った。

 

 試合終了の合図が鳴ると、グラウンドにひざまずく者もいれば、笑顔で喜びを爆発させる者もいた。大分舞鶴がしびれる接戦を制した。

 準決勝の接触プレーで脳震とうを起こし、決勝に出場できなかったFWの核となるキャプテン・佐々木康成の穴は大きかった。試合序盤から大分東明の攻撃を受ける苦しい時間が続いた。「かなり苦戦するとは思っていたが、その中でFW(フォワード)が意地を見せてくれた」と堀尾大輔監督。ゴールライン1㍍手前まで侵入されるも、粘り強い、低いタックルで相手を倒し、トライを許さなかった。

 

 前半20分に先制してからは、FWとBK(バックス)が一体となった展開ラグビーに転じ追加点も奪ったが、主導権を握る時間は長く続かなかった。いつしかボール争奪局面で優位に立たれ、相手に上回られた。前半終了間際にトライを許し、ハーフタイムで修正を図ったが改善されなかった。

 

 後半は攻め込みながらも密集でボールを出せない反則やミスが目立ちはじめる。後半15分には逆転を許し、今大会初めて追う展開となった。しかし、選手に焦りはなかった。「自分たちには立ち返る場所があった」と成重颯人(3年)。自陣ゴール前まで何度も迫られても押し返し、伝統の密集戦に持ち込んだ。圧力の強度は落ちず、相手の勢いを封じると、試合巧者の顔が戻る。FWがラックの中のボールを拾い、ラックサイドを縦に突くピック&ゴーがハマり、逆転した。

 

 苦戦は覚悟の上だったが、「ここまで接戦になるとは思っていなかった」(横田佳音・3年)のが正直な感想だろう。それでも致命的な相手の突破を許さない守りは秀逸だった。欲を言えばBKを使った攻撃でリードを広げたかったのは確かだ。SO(スタンドオフ)松島聡(3年)は「BKの出来が悪かった。展開できず苦しんだ」と猛省した。全国に向けて、まだ修正できる時間はある。「細部まで突き詰めて、やり切るだけ」(松島)と1トライの難しさを再確認した経験を生かしたい。

 

苦戦したが33連覇を達成した大分舞鶴

 

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