全国高等学校サッカー選手権大会大分県大会 決勝戦展望

2017/11/11
  • 冬の全国大会

 明日12日、全国高等学校サッカー選手権大会大分県大会の決勝戦が行われる。今大会は第1シードの柳ケ浦高校が2回戦で敗れ、第2、第3シードも準々決勝で敗退する波乱の大会となった。決勝に勝ち上がったのは第4シードの大分西高校とノーシードの鶴崎工業高校。両校の対戦は、昨年のこの大会の3回戦までさかのぼることになる。大分西の首藤啓文監督は、「延長の末にようやく勝った。やりづらい相手だった」と当時を振り返る。

 あれから1年。3年連続決勝の舞台に駒を進め、悲願の優勝に向けて“西高スタイル”を成熟させた大分西。“優勝請負人”として赴任した高校を全国大会に導いてきた松田雄一監督の下、着々と力をつけている鶴崎工業。大分銀行ドームで行われる注目の頂上決戦を展望する。

 

リスクを恐れず果敢に仕掛ける大分西

 

 延長戦でも結果がつかずPK戦までもつれ込んだ準決勝の大分鶴崎戦。辛勝した大分西だが、今大会はどの試合も内容は悪くない。リスクを取りながら、相手の隙をつき、パスで崩すプレーが感じられる。準々決勝の大分南戦では、守りの固い相手に対し、工夫して崩そうとする意図が随所に感じられた。“西高スタイル”とは、中央とサイドを上手く使い分けて相手DFに的を絞らせないのが特徴だ。これは首藤監督が赴任して以来、不変だ。このスタイルに憧れ、技術の高いクラブチーム出身の選手が多く集まった。

 今大会はリスクを恐れず果敢に仕掛けていく姿勢を貫いている。大分西は1—0で勝つサッカーではないから、受けて立つより積極的に向かっていく方が、選手たちも明らかに伸び伸びプレーしているし、うまく成り立っている。

 さらに踏み込んで個々のパフォーマンスを言及すると、それぞれが持ち味を出している。最終ラインやサイドで起用される宮崎優成(3年)は、いずれのポジションでも自分の役割を把握している。センターバックで出場すれば守備のリスクマネジメントを徹底しながら、攻撃の起点となるくさびのパスで試合をつくる。サイドに入ればボールを引き出す動きやサイド突破で決定機を生み出す。ボランチからトップにコンバートされた幸航平(3年)も少ないタッチ数で周りを生かし、ビッグチャンスに絡む。3年生の士気は高く、下級生にも浸透している。万全の状態でピッチに立つだろう。

 

攻守で存在感を発揮する宮崎(3年)

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