大分工業高校 首藤俊輝 もう一度オレンジコートに立ちたかった

2017/11/06
  • 冬の全国大会

 準決勝では1、2年生が主体の大分南高校相手に苦戦したが、第2セットのマッチポイントが続いた勝負どころで“3年生の意地”を見せつけた。「チームの流れを変えるのは自分自身」と得意のレシーブで攻撃にリズムを生み、チームを勝利に導いた。

 

 決勝では、「首藤が黒子になればチームが勝つ」(江崎監督)と2年前の再現を描いたが、別府鶴見丘の多彩な攻撃にサーブレシーブが乱れた。相手のエースにサービスエースを決められるなど守備が崩れた。焦りから攻撃の呼吸が乱れることも多かった。それを救ったのが首藤だった。2セット先取され、後がなくなった第3セットの立ち上がりから、サーブ、スパイク、ブロックを次々に決めた。

 

 だが、それはチームが描くゲームプランではなかった。セットポイントを2−1とした第4セットは、「緊張から焦りがあった。僕たちには財産がなかった」と首藤。全国大会を経験していない選手が過半をしめるチームは、決勝独自の雰囲気に押しつぶされた。「それを救うのが僕の仕事だったのだが…」と孤軍奮闘したがチーム力の差は歴然だった。試合後、首藤は「この2年間は悔しさしかない。勝ちたかった」と力なく語り、高校3年間のバレーボール競技に別れを告げた。

 

サーブ、スパイク、ブロックを次々に決めた

 

(柚野真也)

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