総括 ウインターカップ大分県予選

2017/10/03
  • 冬の全国大会

盤石の中津北が2連覇

藤蔭が古豪復活の狼煙上げる

 

 女子は第1シードの中津北が前評判通りの実力を見せた。準決勝で同じディフェンス力を持ち味とする大分豊府相手に第1ピリオドは5点リードに留まった。しかし、畑中みつみが強気のリードで試合をつくり、エースの東真菜が得点を重ねた。周りの選手もふたりに導かれるように激しく力強い守備から速攻を決め、点差を広げた。終わってみれば78-61の快勝だった。

 決勝の藤蔭戦は立ち上がりから攻守で力勝ち。準決勝の反省を生かした。「選手が考え、選手が実行した」と大津留礎監督。リバウンド、ルーズボールなど球際で集中力を発揮し、ほとんどの場面で競り勝った。もともと実力のあるチームが勝利への執念を見せれば隙はなくなる。77-55で圧勝し、2年連続の優勝を決めた。

 

勝負どころでエースの責任を果たした東真菜(中津北3年)

 

 決勝で力尽きた藤蔭だが、準決勝では宿敵・大分商業と熱戦を繰り広げ、競り勝った。今大会を通じて成長した2年生エース西田恵菜に勝負強さが備わり、ワンランク上のチームへ昇華した感はある。

 一方の大分商業は県内随一の戦力を誇るが、勝負に徹することができずにいる。選手個々の心意気はあるが、集団となると甘さが出る。3年生の流した涙は下級生へのメッセージだ。この大会は控えだった1、2年生には長身が多く、大型チームとなりそうな新チームには厳しさが求められる。

 

藤蔭躍進の原動力となった西田恵菜(2年) 

 

 男女共に“藤蔭旋風”が巻き起こった今大会。実績のある新監督を県外から招聘(しょうへい)し、選手の強化策が実を結び、今回の躍進につながった。男子は極端なほど攻撃に重きを置いたスタイルを磨き、女子は選手個々の能力を生かした集団に仕立て、勝ち進んだ。今後、男子は新興勢力として、女子は古豪復活として大分の高校バスケットボールを盛り上げる存在となるはずだ。

 

(柚野真也)

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