ラストバトル〜3年生、最後の戦い〜 バレーボール女子 日本一奪還ならず、2回戦敗退となった東九州龍谷

2022/01/07
  • 冬の全国大会

 エースとしてチームを引っ張った折立は、トーナメントが決まったときから「2回戦がポイントになる」と照準を合わせていた。東龍のエースの肩書きの重さに押しつぶされそうになった時もあったが、中学の頃からのライバルであり、「一緒に東龍に行って日本一になろう」と誘われた佐村の、「このチームのエースは折立だから」との言葉に何度も励まされ、今大会のコートに立った。チームを勢いづけるスパイクとサービスエースも決めたが、「力が足りなかった」と敗戦を受け止めた。試合後は最後までベンチに残ってコートを見続けた。「エースとしてチームを勝たせることができなかった。後輩をセンターコートに立たせることができなかった」と、悔しさを忘れぬように目に焼き付けた。

 

 その折立に最後にトスを上げた新改星南(3年)。「3年間ずっと一緒にバレーをしてきた。エースを信じた」と迷いはなかった。最後まで、攻守の切り替えの速い東龍バレーを貫き、トスを振った。「勝って終わりたかった」との思いは強く、敗戦を受け入れるまでにはまだ時間がかかりそう。双子の妹・栞南とも最後の試合となった。異なる大学に進学することになっており、「もっと(一緒に)バレーがしたかった」と涙が止まらなかった。

 

 日本一奪還の夢は絶たれ、3年生8人の最後の試合が終わった。折立は「この3年間、互いにぶつかり、いろんなことがあったけど、ここまで来られたのは8人がいたから。誰か一人でも欠けていたら東龍のバレーはできなかった。感謝しかない」と語った。最後まで気丈に振る舞った佐村を先頭に、3年生は雪が舞う試合会場を後にした。

 

春の高校バレーのコートを目に焼き付けた折立湖雪

 

 

(柚野真也)

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