トリニータ 高山薫 大分スタイルの体現者となり古巣へ里帰り

2019/05/10
  • 大分トリニータ

 リーグ戦は5戦負けなしで3位、YBCルヴァンカップはグループステージC組2位。片野坂知宏監督が「開幕前は誰もこの結果を予想していなかったと思う」と話すように、大分トリニータは今季のJ1で番狂わせを起こしている。想定外の状況ではあるが、「我々は何も成し遂げていない。当初の目標であるJ1残留を目指す」と指揮官にブレはなく、選手も同様だ。

 

 今季新加入の高山薫は好調のチームをこう分析している。「チームとしてやりたいことが体現できている。戦術理解が成熟している」。局面において相手より人数が多い「数的有利」と敵の背後やサイドなど相手にとってボールを持たれると嫌な場所やパスコースをふさぐ位置に立つ「位置的優位」を作り続け、試合を優位に進める戦い方が細部まで浸透する。

 

 片野坂監督の目指すサッカーに触れて4カ月。高山は日々、サッカーの楽しさ、奥深さを感じている。「立ち位置や相手との駆け引き、周囲の連係で崩せる。こんなサッカーがあったんだと思えた。移籍する前に多くの人に、大分のサッカーは面白いし、勉強になると言われた意味が分かってきた」(高山)。

 移籍当初は、湘南で一緒にプレーした馬場賢治を質問攻めにした。「一つ一つ細かい部分まで。分かるまで何度も聞いた」。大分の戦い方を学び、開幕から先発起用されると中盤の左サイドが定位置となる。今は考えずに体が反応するまで習得し、次の段階に入った。「チームのやるべきことをやって、自分の長所を出す。サイドでパスを受けた時のレパートリーを増やしたい」と意欲的に練習に取り組んでいる。

 

同サイドの高畑奎汰と戦術をすり合わせる

 

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