大分トリニータ スタイルを貫きながら結果も残す

2017/06/22
  • 大分トリニータ

残り2試合を消化すればリーグ戦を終える。19節終了時点で大分トリニータは11位。

首位は福岡、勝点で並ぶ2位の湘南が頭ひとつ抜けているが、

3位横浜FCから11位大分までの勝点差は3と大混戦となっている。

19節の讃岐戦でようやく6試合ぶりの勝利を挙げた大分の戦力に迫る。

 

反撃の体制は整った

 

 19節の讃岐戦を迎えるにあたり、1ヵ月以上も未勝利の状況が続いた。5試合で1勝すらできなかった暗闇でも、キャプテンの山岸智は光明を見つけつつあったという。「勝てていないときもチームはまとまっていたし、試合内容も良かった。やるべきことをやれば勝てる自信はあった」。

 

 片野坂体制が2年目を迎えてGKからパスをつなぐスタイルが浸透している。指揮官の意向が反映された新戦力のDF竹内彬、MF鈴木惇、川西翔太、FW小手川宏基がチームにフィットし、レギュラーに定着した。

 

 ピッチ上では「攻守でやるべきことがはっきりしている」(川西)と選手は迷いなくプレーしている。攻撃ではショートパスを軸に大きな展開も織り交ぜて相手ゴールに迫り、守備ではボールを失った瞬間からのプレッシングや球際の粘り強さが板についてきた。試合によって波はあるが、進むべき方向性を示しながら勝点を積み重ねている。これまで連敗がないのは大崩れしていない証拠だ。

 

 好位置につけているとはいえ、J2リーグの戦いは長い。消耗の激しい夏場をどう乗り切るか。各チームが大分のサッカーに対して、ロングボールで対抗するチームもあれば、GKからプレスをかけてくるチームも増えている。片野坂監督は「どこもウチのサッカーを研究している」と実感している。

 

 これから先は、様々な状況に対応していけるかが焦点となる。試合運びなどでつたない一面もあるが、攻撃ではパスをつないで相手ボックス付近までボールを運ぶことができているだけに、最後の局面でチャンスの質を高めでゴールへ結び付けられるかがどうか。「前線が決め切る力を高めることが必要」と片野坂監督も心得る。そこを向上させて、主導権を握る試合を増やしたい。

 

 一方、守備面では安定感も生まれているが、一瞬の隙から奪われる失点はまだ多い。失点を減らすことが勝点を積み上げることになる。攻守ともにしっかりと締めくくれる戦いが必要となる。(柚野真也)

 

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