トリニータ 頼れる10番が復調、好調時の感覚を取り戻した野村直輝がJ1昇格に導く 【大分県】

2022/10/12
  • 大分トリニータ

 苦しむ野村に佐藤淳フィジカルコーチは「コンディションが上がれば、必ず自分らしいプレーができる」と言い続け、寄り添った。リハビリを続けるチームメートから励ましの言葉をもらったのは1度や2度ではない。野村は気持ちを切らすことなく「チャンスは必ず来る」と信じ、試合のイメージを膨らませた。

 9月に入り、出場機会を得るようになったが結果を出せない日が続いた。横浜FC戦では「今日結果を出さないと次はないと覚悟を持ってピッチに入った」。動きは良く、ボールタッチもいい。何よりピッチ全体を俯瞰(ふかん)して見ることができた。「やり慣れたピッチということもあったが、調子のいい時の感覚だった」と野村。プロキャリアをスタートした横浜FC戦のホームスタジアムが「気持ちを乗せてくれた」ことで、かつての感覚を取り戻せたと感謝した。

 

 ようやくトップパフォーマンスを取り戻した野村は、「結果を出せたことは大きい。全てがクリアになった。これからは深く考えすぎずにプレーしたい」と話す。J1参入プレーオフへ向けて「簡単に突破できるほど甘くはない」と、これまで2度のプレーオフで敗戦した経験者は気を引き締める。それでも勝負を決めることができる10番の復調は、チームにとって追い風だ。「3度目の正直にしたい」と強い思いで残りの試合に挑む。

 

J1参入プレーオフ進出弾を決めた

 

 

(柚野真也)

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