トリニータ シーズン総括 旋風巻き起こし9位で終了

2019/12/11
  • 大分トリニータ

 今季、チームはGKを含めた低い位置からパスをつないで試合を組み立てた。ミスでひやりとする場面も散見したが、丁寧なパスをベースにした主導権を握るサッカーを徹底した。中盤戦以降は相手に分析され始めたが、シーズンを通して変わらぬ戦い方を貫き、大分スタイルを確立する。「(パスを)つなぐ怖さはみんなあったと思うが、そこから逃げたらこのサッカーはできなかった。(GKの高木)駿くんを含め、後ろの選手が勇気を持ってつないでくれたのが、今季の結果につながった」と小塚和季はチームの揺るがぬ土台に自信を見せる。

 

 その思いは片野坂監督も同じだ。「積み上げたサッカーに自信はあるし、手応えを感じた。ボールを保持して、攻撃の構築は整備できた」。それでも来季、厳しい戦いになると見越したうえで、得点力が必要となる。「35得点で35失点。11の引き分けと11の敗戦を、どれだけプラスにもっていくかがポイントになる。9位をひっくり返して6位にしたい」(片野坂監督)。

 

 監督続投が早々と決まり、強化部とともに来季の編成に着手している。片野坂監督は「藤本(憲明)が抜けた前線のポジションの補強は考えているし、選手の入れ替えもある」と明かした。これまで大分で5年の長期政権に挑戦したのはシャムスカ監督と田坂和昭監督の2人だけだが、いずれもシーズン途中に解任された。「まだまだ完成形ではないし、伸びる部分は多い。J1に定着するためにやることは多い」と“5年目のジンクス”を気にする様子もない。来季はどんな戦いを見せるのか、今から楽しみは尽きない。

 

来季も活躍が期待される大分の選手たち

 

(柚野真也)

 

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