3年生、夏物語 vol.1 柔道女子 強くなりたい思いは増すばかり 堺田莉央(大分西)

2021/08/22
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 高校最後の夏に、これまでの集大成をぶつけた3年生。コロナ禍で多くの制限があった中、不安や悔しさを抱えながらたどり着いた境地とは。全国舞台で活躍した選手を追った。

 

 初めての全国舞台で「自分の体力のなさを思い知らされた」と語ったのは、全国高校総体(インターハイ)柔道の女子個人70kg級で5位タイとなった堺田莉央(大分西3年)。順調に勝ち上がって迎えた3回戦は3分の試合で決着がつかず、延長戦(ゴールデンスコア)に突入した。互いに決め手に欠き、6分近くの激闘の末に背負い投げで勝利したが、堺田には体力が残っていなかった。ほとんど休む間もなく準々決勝に臨むことになり、疲労でパンパンになった腕を阿部栄一郎監督がマッサージしてくれた。「先生のために、これまで支えてくれた方のために」と気持ちを昂らせ畳に上がったが、気力だけでどうにかなる相手ではなかった。「まだまだ練習しなければ勝てないということ」と振り返る表情に悔しさがにじんだ。

 

 5歳の時に世界大会で活躍する穴井隆将(天理大柔道部監督)をテレビで見て、「カッコイイ!」と憧れ、柔道を始めた。しかし、当時から稽古が好きではなく、道場まで送ってくれる母の車を何度も走って追いかけた。「熱心に練習する方ではなかった」と苦笑する。それでも試合で勝つことで「もっと勝ちたいと思うようになった」。

 中学の部活では「今さら他の武道やスポーツはちょっと無理かな」と少々後ろ向きな理由で柔道部に入ったが、女性監督の熱意に引っ張られ、練習嫌いは解消された。この頃の成績は九州大会に出場するほど力をつけたが、「もっと上を見たい」と決意し、大分西に入学した。

 

女子個人70kg級で5位タイとなった堺田莉央

 

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